【感想】和田慎二「スケバン刑事」

マンガ,和田慎二,「スケバン刑事」,白泉社文庫

いや~、はまっちゃいましたね、ググ~っと(笑)(^^ゞ
読んでしばらく、あとひきまっせ。
同じところ何回も読み返しちゃったりして。

少年ジャンプ黄金期の戦いモノマンガの原型はここにもあった!というかんじ。
でも絵柄とか日常の描写は、ザ・少女漫画(70年代)、なんですよね。

少年ジャンプで、セイントセイヤ等で涙した経験がある世代の私には、やっぱハマります。
うまくいえませんが、心の奥底で感動するのではなく、もっと上っ面の気持ちの部分にうま~く波長があってのめりこみます。
心の中の、「ただ楽しみたい、のめりこみたい、逃避して陶酔したい、それ以上のことはいらない」という部分を十分満たしてくれました。
これは、エンタテイメントとしてよくできてる、といったらいいのかな。

とにかく主役のサキが、めちゃくちゃ強くてかっこよくて美形で、でも孤独。
悪役が、もうこれ以上ないっていうほどのひどい悪役っぷり。
悲劇的で残虐・凄惨な展開が次から次へと起こり、展開が進めば進むほどスケールがでかくなってきて、ありえない度は急上昇。
この辺もジャンプぽいのですが、ジャンプ定番の「連載引き伸ばしによるパワーインフレ展開(いったん死んだ主人公が生き返って、新たな敵に立ち向かう。敵は以前の敵とは比較しようがないくらいパワーアップ)」で読者が興ざめしてしまう前の段階で、ケリをつけて終わっているので安心。

あと私は、こういうアクションドラマの間に差し挟まれるロマンス(ふ、古い表現…)に弱いんで、サキと神恭一郎の付き合いの描かれ方にもハマってしまうのです。(あー、はずかし)。
ジャンプ世代的にいうと、「CITY HUNTER」の遼と香の描かれ方といっしょなんです。(←いや、こっちのほうがずっと後ですが)
「二人の間には何者も入れないような強い絆があって、ありえないような神業でお互いを救う」ってやつ。
これも、ありえないのを十分に分かった上で、ときめく(これも死語?)のですよ。

※余談ですが、「スケバン刑事」のオリジナルビデオアニメ版では、サキが伊倉一恵さん、神を神谷明さんがそれぞれ声やってるらしい。ま、まさに香と遼じゃないすか!!(笑)とオタクらしい喜びも感じてみたりして。

あと、サキが女だったから、グっときたのかもしれません。
最後、梁山泊へ単独で殴りこみをかけにいくときのサキのセリフ

「あたし一人だけだったら、とことんやっても誰にも迷惑かからないしさ・・・」

というセリフも、
男がいうと「なんちゅー身勝手、自己陶酔ヤローめ、残される方のことも考えるのがほんとに強い奴なんじゃ!勝手に行って死んでしまえ!」と感じるのですが(笑)、女のサキが言うと「そうね、あんたがそう思うなら思う存分やりな!自分でやる分にはいいもんね!!」と思っちゃいますから。てへへ。
ま、全編読んでも、サキが女オンナしてるところはわずか(神やムウ=ミサとのカラミ)で、男に換えても物語的には成立しそうなかんじですけど。でも、作者の和田さんも巻末で言ってる通り、かわいい女の子が悪者をバッタバッタと倒していく、ってのもエンタテイメントとしてウケるポイントになってるんでしょう。
(思えば、大人気の「あずみ」(小山ゆう原作)も、時代劇になっているだけで基本のコンセプトは同じな気がします。)

と、とりとめがなくなってきましたが、こういう類のマンガ、一時期はこうやって盛り上がってハマるんですが、その盛り上がりがやがてス~っと冷めることも、今までの経験上分かっております(笑)。
だからといって大したことないマンガだ、といってるのではありません。
マンガにもいろいろあって、ただひたすら笑わせてくれるもの、心に染み入るもの、小難しく考えてさせられるもの、いろんなものがあって、今回は、「読んでる間は一時的にハイにさせてくれる麻薬のような快楽」をあたえてくれる類だと思います。
で、その種のマンガとしては、一級品だと思いました!

#う~ん語彙が少なくて、うまくかけないわぁ。

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