【感想】長谷川洋子 「サザエさんの東京物語」
エッセイ,長谷川洋子,「サザエさんの東京物語」,朝日出版社
サザエさんの東京物語 長谷川洋子 朝日出版社 2008-03-22 by G-Tools |
長谷川町子さんの妹さん、3姉妹の末っ子の洋子さんが書いたエッセイ。
町子さんが書いた「サザエさんうちあけ話」も読みましたが、そこで描かれていたのと同じエピソードが、違う視点で語られていて、面白かったです。
しかし、町子さんだけでなく、お姉さんもお母さんも、みんな激しくて純情な気性だったのだなぁとつくづく思いました。
何十年も仲良く育った3姉妹が、みな還暦も過ぎるかという頃に、末っ子の別居宣言をきっかけに仲たがいしてしまったというあたりに、かなり驚きました。
洋子さん、町子さんの死に目にも会えなかったなんて、なんだか切ないです。
でも、家族・肉親というのは、こういう他人から理解できない点を持ってるもんなのかもしれません。
それにしても、私はこういう人の話を読むと、自分は表現者として「激しさ」が足りないよなぁと思ってしまいます。
これは、かなり昔から、子どもの頃から感じていたのですが。
作品で世に出ようとすれば、作る人間にはそれ相応のパワーや情熱が必要なのに、自分は普通すぎるしなんでもホドホドで満足してしまうし、これじゃ大成できんだろうなぁと。
(って、そもそも大成することを視野に入れてる時点でずうずうしいですが(笑))
そういう思いがあるので、人から「ちょっと変わってる」って言われるだけですぐ嬉しくなってしまうのかもしれません。(小さい人間や…)
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