【感想】ポール・ギャリコ「マチルダ―ボクシング・カンガルーの冒険」
小説,ポール・ギャリコ Paul Gallico,「マチルダ―ボクシング・カンガルーの冒険」MATILDA ,創元推理文庫,山田蘭 訳
マチルダ―ボクシング・カンガルーの冒険 (創元推理文庫) Paul Gallico 山田 蘭 東京創元社 2000-06 |
いやぁ、ポール・ギャリコ、今回もまたまたgoodでした。
本の帯の「奇想天外、痛快無比!」というコピーがぴったりです。
カンガルーのマチルダが、人間とボクシングをして勝ち続け、最後にミドル級チャンピオンと激突!
…と、あらすじを書くと「なんだ子ども向けファンタジーかよ」と思われそうですが、この小説のほんとの焦点はそこじゃない。
周りをとりまく連中の、さまざまな人間模様が、実にリアルで時に滑稽で、でもグッとこみ上げるものがある。
人間と動物。表の世界の人、裏の世界の人。金持ちと貧乏人。変わるものと変わらないもの。
そして最後の最後でどんでん返しの連続。いい意味で裏切られて、それゆえ心に刻み付けられるものが深くなりました。
読後感が爽快で、ホントに「素敵」な小説でした。
お問い合わせ
制作依頼・ご感想・ご質問・お見積りなど、お気軽にお問い合わせください