【感想】「沈まぬ太陽」
「沈まぬ太陽」,日本,2009,若松節朗,(映画館)
直球・王道な作りの映画でした。長かった~…。
ただ私の感想を素直に言うと
「ドラマにしちゃぁ生臭すぎるし、ドキュメンタリーにしちゃ生ぬるすぎる」で、全体的に迫力不足な感じがしました。
私は原作を読んでいないのですが、この題材とあらば多分そのまま映像化というは難しいだろうし、今回もせいいっぱいがんばった結果なんだろうとは思いますが、でも映画ってその背景や成り立ちと関係なく、単体で見て「グッとくる」ものでなくては!
なんといっても最初の飛行機事故のシーンは強烈で、でもこれはどうしてもドラマというよりは当時のことのほうを思い出してしまうし、その後の展開もわりと淡々としてメリハリがない感じがしてしまいました。
一番残念だったのは、CGがチャチだったとこ。
特に物語中盤から終盤に向かうところで、恩地(渡辺謙)と国見会長(石坂浩二)が正月明け一番機を飛ぶの見送るところの、飛行機!
あのヒコーキ、ゲーム映像かっ!!ってくらい、背景の朝焼けから浮いてました。
映画が始まってすぐの象のCGがしょぼいのはかまわないけど、飛行機は、飛行機はこの映画の最大のモチーフじゃないすか。
あの飛行機映像じゃ、せっかくグッと心をつかむところなのに冷めちゃいますよ…。
やたら豪華だったキャストをもうちょっと削ってでも、CG力入れてほしかったなあ。
実際の飛行機を飛ばすことはそれこそまずムリってことは分かってるんだし。
あと、悪いことやってる人たちにあんまり深みがなかったというか、悪人らしい迫力を感じられなかったかな。
私が唯一「こ、こええぇ~~~~~」と震え上がったのは、恩地の娘の結婚相手の両親(桂南光と秋野陽子)でした(笑)
とまぁ、なんかボロクソ言ってますが、一方で単純な私は、恩地のすさまじい半生を見て、
「私がこんな安穏とした暮らしをできてるのは、過酷な環境でも必死でがんばり続けてきた過去の日本人が大勢いたからなんやろな」
という感想も持ちました。
やっぱり、こんなヘナヘナしてたらあかん!強くならナあかん!と。
さて、支離滅裂な感想そろそろ終わりますが、最終的に私がこの映画に満足し切れかなかった最大の原因は、「エンタテイメントになってないから」かもしれないです。
別に笑えるものにしろといってるのではないですよ。最初に言ったように、その映画単体でのめりこんで見れるもの、がエンタテイメントだと思っていて、それが私が一番好きなかたちだから。
ってうまく説明できてないな(笑)
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