【感想】TAROの塔
TAROの塔 DVD-BOX | |
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NHKの土曜ドラマ、全4回。芸術家・岡本太郎を描いたドラマ。
脚本:大森寿美男、主演:松尾スズキ、主題歌:美輪明宏ときいた時から、ずっと期待して待っていました。
そして第1回を見て、期待どおりの満足感と、予想以上の高揚感を得ました。
寺島しのぶが演じる、太郎の母岡本かの子の凄まじさに圧倒されつつ、松尾スズキ演じる太郎の発言や行動の「ベラボーさ」に夢中になりました。
第2回放送後に、東日本大震災。
正直、ドラマどころじゃないショックをうけました。
その後の第3回、
自分がこれを見て、果たして前のように集中して見れるのか、と思っていたけれど、
実際、前よりもさらにずっと集中し、ずっと力強く、心震えるものを感じました。
芸術は、本来生物が生きる際には必要ではないもの。
だから、芸術は、「人間が」生きることそのもの。
闘いながら生きる、生きるんだという力強さを繰り返し映し続けるこのドラマが、
今のこの時期には、まぶしくて、魅力的で、たまらんかった。
ストーリーは決して明るいお話ではないのです。
芸術家とは、なんと苦しい生き方だろうか、
そしてそれをそばで支え続けることの壮絶さといったら、なんなんだろうか・・・。
でも、それ以上になんと幸福そうなことといったら!
太郎の養女となり、実質の妻となり秘書となりマネージャーとなる岡本敏子を演じる常盤貴子に釘付け。
自分は絶対そんなしんどいことできない!けれど激しい憧れを感じました。
あぁ、なんかうまく感想言えないけれど、ほんとに自分の頭とハートにガツーンときたんですよ。
また見たい。元気をもらいたい。
NHKドラマは良作が多いけれど、これは別格。
私個人としては、ハゲタカと並ぶ、末永く愛する作品となりそうです。
岡本太郎さんの名セリフ、たくさんあったのですが、特にガツンと来たのはの2つでした。
はじめに、私はこの万博のテーマには反対である
「人類の進歩と調和」なんてクソ食らえだ!
人類は進歩なんかしていない!
確かに宇宙へ行く科学技術は発達したが、
肝心の宇宙を感じる精神が失われているじゃないか。
それに調和といったって、日本の常識でいえば、
お互いが譲り合うということだろう。
少しずつ自分を殺して
譲り合うことで馴れ合うだけの調和なんて卑しい!----万博のプロデューサーを引き受けた理由はなんですか?
危険だからだ。
人間は生きる 瞬間、瞬間で、自分の進んでいく道を選ぶ。
そのとき、私はいつだって、まずいと判断する方、
危険な方に賭けることにしている。
極端な言い方をすれば、
己を滅びに導く というより、自分を死に直面させる方向、
黒い道を選ぶということだ。
無難な道を選ぶくらいなら、
私は 生きる死を選ぶ──
それが、私の生き方のスジだ。
(第1話 万博プロデゥーサー就任会見)「今ありもしないものに責任をおっ被せて、何が出来るっていうんだ!
可能性があるなら、今だってある。今ないものは、将来にもない!」
(第3話)
関西育ちなので、太陽の塔は、今までなんとなく見ていました。何も知らなくて、でも愛着だけはあります。
こんな壮絶な戦いの産物だったとは。
サントラ、iTuneで買っちゃいました。DVDが待ち遠しい。
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