【感想】上橋菜穂子「精霊の守り人」シリーズ
小説,精霊の守り人, 「精霊の守り人」シリーズ, 新潮文庫
- 「精霊の守り人」
- 「闇の守り人」
- 「夢の守り人」
- 「虚空の旅人」
- 「神の守り人 来訪編」
- 「神の守り人 帰還編」
- 「蒼路の旅人」
- 「天と地の守り人 第一部 ロタ王国編」
- 「天と地の守り人 第二部 カンバル王国編」
- 「天と地の守り人 第三部 新ヨゴ皇国編」
- 「流れ行く者 守り人短編集」
- 「炎路を行く者 守り人作品集」
この1年くらいかけて、電子書籍で一気買いした、本編の11本&外伝の2本を読みました。
いやぁ、充実感いっぱい。
示唆に富む、素晴らしい物語だと思う。
ゲド戦記と並んで、一生のうち何度も読みたくなるお話。
チャグムは主人公としてはわかりやすい、オーソドックスなキャラクターだと思う。
対してバルサは(これはきっと色んな人が指摘していることだろうけど)強さと哀しみ両方持ち合わせた、昔ながらの孤高の剣士キャラでありながら、中年の女性、というのが画期的だった。
用心棒稼業で、一所にとどまることができない漂泊者のバルサと、同じ場所でひたすら待ちづづける、芯が強くて包容力のあるタンダ。
バルサとタンダ、両者の性が逆なら、それこそオーソドックスだったろう。
オーソドックスな構図が裏返ってるだけで目新しいなんて言うのはそれこそ陳腐かもしれないけれど、でも意外と、ありそうでなかった。
今まで見てきたフィクションでは、どんなに男勝りな女性キャラでも、最後はやっぱり男性に頼ることで幸せを感じたり、もしくは男性とは別れて一人の道を選んだり。
この物語では、バルサはタンダを守り、そしてタンダからも違う意味で守られ支えられて、ほんとうの意味で対等な男女のカップルになっていて、そこが嬉しい。
NHKのドラマは、この大長編をうまいこと再編成してあったなぁと感心した。
でも一方で、このボリュームのままの映像化も見てみたい。今なら、ネット配信のドラマで長いのも不可能じゃなくなってきてるもん、ねぇ。
…ところで、最新版の「風と行く者 守り人外伝 」の電子書籍、はよー!
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