【感想】多和田 葉子「雪の練習生」新潮社

多和田 葉子「雪の練習生」新潮社

多和田さんの小説を読むのは2冊め。またも、わけわからん物語。というのは褒めているのですよ(笑)

擬人化されているわけでもないのに、文章を綴ったり会議に出たり、外国に亡命する、シロクマ。なにせサーカスの花形だったのだから。

この、人間なのか動物なのか、その輪郭がふわふわしたまま、第1次世界対戦~東西冷戦時代のシビアな背景とともに語られる、三世代ストーリー。これは、文章の世界ならではだなぁと思う。一方で、演劇ならできるのかも?とも思った。

一番戸惑ったのは最初の物語、一番わかりやすいのは最後のクヌートの物語、
そして、一番叙情的で、哀しみがじっとり離れないのが、2番目の物語だった。

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