【感想】リリー・フランキー「東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~」

小説、リリー・フランキー「東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~」,扶桑社

う~ん、確かに一気に読んでちょっと泣いちゃったけど、好きではないです。

小説というには、筆者の考えを述べすぎるし、随筆というには、筋立て解説部分が長すぎるし、ルポというには、筆者の個人的感情が出すぎている、という感じ。
東京のことについて自分はこう思ってる、というくだり、たしかに私も東京に来たくて来てみたクチなんで、肌でわかるところはいろいろあるんだけど、でもなんでこの小説の中でくどくど語らないといけないのかな、と思ってしまう。

いつも思うんですが、悲しくつらい話を、悲しくつらそうに描いても、それは小説としては物足りない、と思うんです。
ひどくつらそうなことを淡々と描いてたり、なんてことないことを面白く描いてたり、難しいことをやさしく描いてたり、そんな小説で感動を味わいたいのです。
今回の小説は、筆者の思いをぶちまげてあるところが強くて、どうも筆者の自己満足に付き合わされた感じが少ししました。
でも、部分部分の表現に、とても魅力的なのがあって、やっぱり気の利いた文章を書くのはうまいんだなぁと思いました。

ま、私は流行りモノには難癖をつけたくなる性分なのです、すんません。

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