【感想】米原万里「米原万里の「愛の法則」 」
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米原万里の「愛の法則」 (集英社新書 406F)
集英社 2007-08-17 |
講演の内容をまとめたものです。
面白かった!あっという間にスイスイ読んじゃいました。
知的好奇心をがんがんくすぐってくれて、読み終わった後もシャキッとします。
コミュニケーションと人間についての一つの見解が、私自身も常々思っていたこととほぼ同じだったので、非常にうれしかったです。(以下は勝手に抜粋)
「通訳だけでなくコミュニケーションというものが、そのように非常に不確実なものであって、最終的に完全に一致するなどということはあり得ないという、一種の諦念というか、覚悟を持つべきだと思います」
「コミュニケーションというものは、不完全なもので、完璧なものにするのは永遠に不可能です。しかし同時に、人間というのは、常にコミュニケーションを求めてやまない動物であるという確信が、私にはあります」
「みんな同時に笑えて、一緒に感動できる。いつもそれを目指しています。」
他人と完全に一致するというのは不可能だけど、だからこそ同じ気持ちを共有できたと感じたとき、ものすごく幸せに感じられるんだろうな、と私も思ってたんです。いやホントに(笑)
たとえばこないだのWBCの決勝で、イチローの逆転タイムリーヒットでみんなが狂喜して嬉しがったのだって、同じことなんじゃないかなぁ。言葉じゃないけど、野球というゲームを通してみんな同じ喜びを共有しあったということで。
この本をヒトにお勧め!って私は言うのが苦手なんですが、この本はお勧めです。
読みやすくて、もちろん笑えて、読み終わった後に考えるヒントをいっぱい残してくれて充実感を感じられます。
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