【感想】グリング「jam」

「jam」、グリング、作・演出 青木豪、(東京芸術劇場 小ホール1)

本公演のあとしばらく休演するというグリング。
芸術劇場小ホールは初めてでした。真ん中に舞台があって、客席で挟んでいる形。私たちは一番前の真ん中という特等席で、今年最後の観劇を楽しむことができました。

今回は再演ものということもあって、脚本・演出もよく練られていて、冗長と感じる部分は全然なかった。お気に入りの杉山文雄さんが出演されないのが最初は残念だったけど、途中から全然気にならなかった。

今までなんとなく聴いていただけのベートーベンの第九、当たり前すぎてなんとも思っていなかったけど、今回のこの舞台で、初めて心つかまれてしまった。
っていうかあの使い方ズルイ!(笑)
長い間、我慢してきた自分の生き方を、見つめ直し、否定して、新しい道へ踏み出そうとする女性。
それはまさしく、劇中で副指揮者が解説していたベートーベンの第9の構成のとおりで、そんな場面に曲がドンピシャ流れば、そりゃ合う決まってるよね!

くどくど説明しない、とてもさわやかな幕切れ。
幕が閉まったあと、歓喜の歌が流れ続ける間、私も涙がぶわーっとあふれてきました。

とてもいい舞台で、これで休演なのは、ちょっと寂しい。
またいつの日か復活する日を楽しみに待つことにします。

そういえば、今日は客席に近藤芳正さんと、高橋由美子さんを見つけました。TV収録用のカメラも入ってて、NHK-BSで来年放送するそうです(と、ロビーで青木さんがしゃべってるのを小耳に挟んだ)


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