【感想】万城目学「鴨川ホルモー」「ホルモー六景」

小説,万城目学,「鴨川ホルモー」,角川文庫
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鴨川ホルモー (角川文庫)
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ホルモー六景 (角川文庫)
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ハマった!!!
今まで読んだマキメ作品で、この、デビュー作とそのスピンオフ短篇集が私にとってはダントツ一番でした。
この、世界観、雰囲気、・・・・たまりません。

子供のころ「ふしぎの国のアリス」や「ナルニアの国シリーズ」のような、異世界の冒険譚に熱狂した覚えがあって

かつ、

「探偵!ナイトスクープ」のような番組をこよなく愛するタチ

の人なら、まちがいなくハマるでしょう。

・・・ってそれ、私だから・・・(笑)

マキメさんの作品は、現実世界と異世界が完全にシームレスなのが、うれしい。
冒険譚でありがちな、お話の最後は異世界から現実世界から戻ってきちゃった後の、祭りの後的なもの寂しさ、がない。

異世界との交流が開かれたとしても、登場人物の生活の一部が変わるだけで、彼らが急にスーパーマンになるわけではなく、日常生活は続く。
大学生らしく、勉強、恋や友達付き合い、それらに流される生活。貧乏との戦い。バイト。等等。
怪しいモノを使う選ばれし者になっても、ふだんの移動手段は相変わらず自転車のまま、だったりするのが、いい。

異世界との暮らしは、いつもどこかで続いている。終わりがない。いつまでも余韻が楽しめる。 
おまけに、大学生活の描写が、ほんとうに「らしく」て、経験者なら誰でも懐かしく、時にはイタい感覚とともに思い出がよみがえるんじゃないかしら。

マキメさんは、この2冊の本を読むだけでも、歴史・地理・文学、果ては数学的なエッセンスまで幅広く取り込んでいて、知性と教養がほとばしっているのがよく分かるのだけど、それが嫌味じゃない。
「この人頭いい!すごい!」ではなく
「この人こんなバカ話つくっちゃって何考えてんの?アホとちゃう?(笑)」と思わせるレベルにまで達してるのが、すばらしい。

梶井基次郎や維新の志士たち、そして新島襄やクラーク博士までホルモーに関わってることにさせちゃうなんて、図々しいにもほどがある(笑)。でも、「も、もしかしたら本当にそうかも?いや、それはないな・・・、でも、ウケるわコレ」って思わせてくれる話になってる。

小難しさを感じさせずに、アホでおもしろい話にしてくれるなんて・・・
なんてカッコええんや。

と、えらいベタ褒めになってしまった。
文学的に良いか悪いかは別にして、とにかく私は大好き!! 

今まで読んだ万城目学作品

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