【感想】維新派「MAREBITO」
「MAREBITO」、維新派、作/演出 松本雄吉、(岡山・犬島 海水浴場)
とうとう来ることが出来ました!犬島!瀬戸内国際芸術祭!
そのレポートはこちらを見ていただくとして… >>瀬戸内国際芸術祭にいってきた!1日目)犬島
夕方4時頃に、会場につきました。これは、客席の裏。最初の写真は、屋台村。
数年前の琵琶湖水上舞台での「呼吸機械」の評判を聞いて、いつか、維新派の水辺の野外公演を見たい!と願っておりましたが・・・意外と早く叶って(笑)、幸せな私です。
しかも、東京からはなかなか生きにくい、岡山県の犬島でなんて!それだけでもウットリだったのに・・・
いよいよ客席に着いたら、さらに興奮!
広い舞台の奥に、この海水浴場にもともとある突堤が伸びていて、そこにもずっとライトが設置されています。
空には月。
日が暮れて・・・いよいよ幕が開きました。
あぁ、すばらしかったです。
海風がびゅうびゅう吹くなか、突堤の先っちょに、ぽつりと光る明かり。
役者さんが叫ぶ。バケツリレー。まるでコントみたいな動きもあったりして。
何もかもが、幻想的で、絵のようでした。でも、その場に自分もいるんだ!というこの奇跡。
序盤は、バケツで水を汲んでまく程度だったのが、中盤からいよいよ、舞台全体に水が張られました。
最初は、水が少ーしずつ舞台に流れこんくるので、夢?と思ってしまいましたヨ。
そこで繰り広げられた展開で、私はすごく、フィクションの力を実感しました。
海は広い。そして瀬戸内海、日本海、太平洋、インド洋、といろんな呼び名はあるけれど、結局はひとつでしかない。海はひとつ。
当たり前の知識としてあったけれど、それを今回、強く強く感じました。
海で世界はつながっているんだと。
それを感じて何になる?それは分からないけれど、当たり前の単なる事実を、感動とともに触れなおせる快感は、なんとも言えないものでした。
ラストシーン、ライティングされた舞台と海岸、そして海面が、完全にひとつの絵になっていました。とてもキレイでした。
終わったのは、予定より少し押して、夜8時半過ぎ。
で、舞台の余韻を味わう暇もないまま、追い立てられるように港へ引き返しまして。
小さなチャーター便(多分、漁船のちょっと大きめのやつ)にギュウギュウに乗り込んで、高松港まで1時間強、ゆられて帰りました・・・。しかもかなり端っこの、明かりがなく目の前には流し台があるような席だったので、場末感満点でした(笑)
同乗者のなかには、明らかに船酔いに必死に耐えてる方がチラホラいらっしゃいました。
島での公演は、見る方も体力が入りますね。まだそんなに年を取ってない頃でよかったです・・・。
あー、1週間たった今、思い出してみると、まだ幸せ感がよみがえってきました。
また、維新派が作る空間に身を委ねてみたい。
今までの維新派(松本雄吉) 鑑賞記録
- 寺山修司没後30年/パルコ劇場40周年記念公演「レミングー世界の涯まで連れてってー」(2013)
- 「夕顔のはなしろきゆふぐれ」(2012)
- 「風景画 - 東京・池袋」(2011)
- 「ろじ式」(2009)
- 「nosutalgia 《彼》と旅する20世紀の三部作 #1」(2007)
- 「キートン」(2004)
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