【感想】「素敵なダイナマイトスキャンダル 」

素敵なダイナマイトスキャンダル 」,日,2018, 監督・脚本:冨永昌敬、 (キネカ大森)


予想よりも面白かった!行ってよかった。

ここ数年、NHKの朝ドラ等で、テレビの「なんちゃって昭和風俗再現ドラマ」を見慣れていたせいか、この映画の「本気の昭和再現度」に頭ガーンと殴られたような気がした。
80年代、私はまだ地方都市の子どもでしかなかったけど、あの頃垣間見えた大人の世界は、いかがわしくて、なんか汚らしくて、尖ってて最先端でもあるような、見てはいけないもののような…、高揚感と居心地の悪さを同時に感じていた気がする。

そんな感じがドンピシャ当てはまる。画面から臭いまで漂ってきそうだった。
柄本佑くんや、銀杏ボーイズ峯田くんは、あの時代の子じゃないのに、なんであんなぴったりはまるんやろか。

愛人の笛子さんが、峯田くん演じる近松さんにどことなく似ていたのは、意図的なんだろうか。

知ってたけれど、アラーキーを演じる菊地成孔大先生には笑ってしまった。あんなタトゥーびっちりの人、当時おらんやろ!でもあのいかがわしさはぴったりだなぁ。

サブカルとエロの渦まく雰囲気を面白がることができるようになったのは、私が30歳を過ぎてから、徐々にだったと思う。
もし若い頃に出会ってたら、それこそ流されまくってどこに行っちゃったのか、わからない。
もしくは、危険を感じて完全シャットアウトだったかもしんないな。
アニメファンだった中学生の頃、月刊OUTとかファンロードとかも、時々覗いて面白がってはいたけれど、踏み込み過ぎちゃいけない気もしていた。(だからか、どハマリはしなかった)

ただ、自分がどうであれ、世間における「グレーゾーン」はなくしたらあかんなぁとあらためて思った。
機能優先、効率化優先、シンプルさだけを追求していたら、逃げ場がなくなってしまう。

物事と物事のつなぎ目、人と人の関係は、みんなゆるめにしておくくらいが、何かあってもどうにでもなるのだ、きっと。

関連リンク

「素敵なダイナマイトスキャンダル」特集 実母がダイナマイト心中!編集者・末井昭の波乱万丈な実体験を映画化 - 映画ナタリー 特集・インタビュー 

お問い合わせ

制作依頼・ご感想・ご質問・お見積りなど、お気軽にお問い合わせください